人格主義と個性主義

「この人格主義では、「成功」といわれるような人生には、その裏付けとなる原理原則（以下、原則と呼ぶ）があり、その原則を体得し人格に取り入れる以外に、人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れる方法はないと教えている。」
『７つの習慣　P9』

人格主義とは上記の引用のように、原則を人格に取り入れて長期的な成功・幸福を獲得する人生への取り組み方のことです。
個性主義とは人格主義とは対照に、短期的なテクニックや表面的、一時的な言動により現在の性急な痛みを取り除く鎮痛剤的な人生への取り組み方のことです。

どちらを自分の人生の方針とするかは人それぞれが決めれば良いことですが、現在圧倒的に人気があるのは個性主義です。

だって簡単だし、うまくいくコツはだれもが知って活用してうまいことやっていこう、と考えているからでしょう。

私は総じてマスコミが嫌いですが、マスコミは個性主義を助長しているとも思っています。

ここ最近、「私たちが仕事で成功し幸せを手にするためには、人格を鍛え、自然の法則に従って生きるように長い道のりを進んでいかなければならない」ということをストレートに主張するテレビや雑誌にお目にかかったことがある人は少ないと思います。

しかしこの人格主義に通じる内容は、類似の書籍を紹介する方法や、偉人の人生論などで取り上げられると反響を呼ぶようです。

私たちの心の声は人格主義に従って生きることを望んでいると思いますが、少し聞こえても、現代のマス情報化社会の波に打ち消されてしまいます。聞こえないふりをすることもできます。

でも誰しも人格主義に従うことを望んでいるのです。
行動に移さないだけなのです。

だって大変だし、１日や1ヶ月なんて短期間では身に付かないものだし、自分のこれまでの人生を否定しかねないほどの大変な作業だからでしょう。